公務員だった時にTOEICのおかげで海外に出張した話

久しぶりに公務員だった時の思い出を書こうかと思います。これは公務員を辞めた理由とも関係する話です。海外に出張したことは当時もブログに書いていました。

TOEICスコアがないとできない仕事

海外出張の感想

私は市役所の職員だったのですが、運良く海外に出張して仕事をする機会がありました。具体的には中国に行きました。

それは中国で同じ分野の仕事をしている公務員と一緒に研修を受けるという企画で、研修は英語で行われました。その分野の仕事をしていて、なおかつ英語ができることが研修参加の条件になっていました。

国が主催するプロジェクトなので私の市役所は私の渡航費や滞在費を払う必要が無く、市役所内で、お金を使うための面倒くさい許可は必要無さそうな件でした。市長は「国際化が大事」とか言っていたので、英語で自分の専門分野についてディスカッションできる職員を育てるのは、誰も反対しようが無いことのように思えました。

当時、私はTOEIC915点で通訳案内士も取得していたので、まあ英語力的に言って楽勝に自分が参加者に選ばれるだろうと思っていました。後に退職するぐらいですので私は仕事に対して情熱は持っていませんでしたが、他国の公務員と交流するのは楽しそうだし、多少は観光したり、中国の雰囲気を味わうことができるだろうと、楽しみにしていました。

実際、私は参加者に選ばれました。あとはもう出発の日を心待ちにしていましたね。

すると、後から、市役所の人事の人から、私は中国に行ってはいけないと言われました。海外に出張に行ってはいけないことになっているからダメだと言われました。

そんなことは知りませんでした。まあ何事もルールで動く公務員の世界ですから、そういうのはルールを知らない方が悪いとは常々思っていましたので、私の方にも落ち度があったのかもしれません。しかしそのルールは、いったい誰が知っているんだろうというぐらいのマイナーな取り決めで、職員に知らせる気も無いようなものでした。私の上司も知らずに許可してましたからね。また、市のお金は使わないので、私が出張するかしないかは私の部署の問題であって、人事が良いとか悪いとか言うことではなく、私への嫌がらせかな?という風にも思えました。

これは国が主催していて、お金は国が持つと言っているので、出張できないというのはどうにもおかしな話でした。国のしていることに反対しているのと等しいです。まあ確かに国と市の政府の関係というのは、国が市の上にあるわけではなく、お互い対等なもので、民間なら別会社と言ってもいいぐらいの関係があります。なので国の主催する研修に参加してはいけないと言った私の市の人事の人は、ある意味で国と市の関係を正しく理解していたのでした。

人事の偉い人と、私の上司が、私の出張を巡って連日交渉をしていました。

で、自分が出張するための書類作りというのがこれまた面倒くさく、なんだか私はもうどうでも良くなってきていました。研修には行きたかったけど、こんな面倒くさいことをゴチャゴチャ言われるならもう出張行けなくて良いですと思い始めていました。そんなことを言える雰囲気ではなかったしもう後に引けない状態だったので、交渉している上司にお礼を言いましたけどね。

最終的には私の上司が、更に偉い人に掛け合って私が出張する許可をもらってくれました。もちろん私は感謝しましたが、更に偉い人が良いって言ったから良いというのも何だか変な話だなと思いました。人事の人は、ルールだからダメですと言い続ければ良いじゃん、って思いましたね。口には出しませんけど。

この件から私は、タダより高いものは無いということを学びました。タダで海外に行こうとしたからこんな面倒なことになったのです。市役所の仕事はお金を稼ぐためと割り切って、こういう自分のやりたいことは、他の仕事を圧迫するので、やらないでおくべきでした。

また、出張中、他の市役所からの参加者と話していて、こんなアホくさい目に遭ったのは私だけでした。国が主催する研修で、お金も国が出すなら普通に考えて参加してはいけない理由は無いのです。

私は、そんな訳の分からないルールで嫌がらせみたいなことをしてくる人々の居る市役所を、以前よりも増して嫌うようになりました。私が市役所を辞めたのは、その約1年後のことでした。

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