公務員の終身雇用と年功序列の問題点

今日は、公務員の終身雇用と年功序列の問題点について書きたいと思います。

私が勤めていた市役所には、強固な終身雇用と年功序列のシステムがありました。

職員の身分は地方公務員法という法律で規定され、それを読むと、職員はよほどのことが無い限りクビにならないということが書いてあります。横領や収賄など悪意を持って悪いことをしたら当然クビですが、そういう明らかに悪いことをしなければほぼクビになりません。勤務上の成績不振も免職の理由ではありますが、仕事のできが悪いからクビになった人など聞いたことも無く、その制度自体が形骸化していることは明白でした。

加えて、給料は基本的に毎年、月給で5000円ぐらい上がっていきます。残業代とかボーナスも上がるので年収で考えれば5000円×12ヶ月=6万円より大きい上昇があります。特に仕事を頑張っても頑張らなくても上がります。

こういう環境で長年仕事をすると、人は仕事に対してネガティブな感情を抱くようになります。

新しい仕事は、単に自分の業務を増やすだけなので、積極的にしません。

業務を効率化してさっさと仕事を終わらせても、その分他の仕事が回ってくるだけなので、だったら効率化しなくて良いやという気持ちになります。むしろ、常に自分は精一杯やってますよというアピールをして、仕事をシャットアウトしようと思うようになります。忙しく見せかけている人で溢れていましたね。

その結果、人間的にも歪んでいき、人事部でさえ人を育てて未来の市役所を良くしようということを考えず、積極的に海外に研修に行こうとする若手職員の妨害を平気でしたりするようになります。

参考記事:公務員だった時にTOEICのおかげで海外に出張した話

そもそも、仕事を頑張ったことに対するご褒美が、出世しかありません。だいたい40歳ぐらいから出世に差が付き、確かに年収にも差が付きます。しかし最終的にも、めちゃくちゃ頑張った人と、管理職にならずに職務を終えた人の差も、それぞれ年収700万円と1000万円の差しかありません。

だったら最初から窓際職員になって定時まで仕事をしてチャイムと同時に退勤するのが最強じゃん、ということになります。実際、私から見て賢いなと思った人は、自分の意志で管理職にならないという選択をし、やりたいようにやっていました。

私も窓際職員になってベーシックインカムを確保し、余暇を楽しむ人生を送ろうかと思っていましたが、それも楽しくないと思ったので退職しました。今は通訳案内士と言っても底辺のフリーランスなのでお金は全然稼げていないですが、毎日楽しいです。

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