公務員にうつ病になる人が多いのは何故か

公務員(市役所職員)は、民間企業に勤めている人から頻繁に「楽な仕事」と言われます。

公務員には、うつ病などのメンタルヘルスに疾患する人が多いと度々言われます。統計的に他の職業と比べてどうかは分かりませんが、私の体感では、確かにうつ病で長期休暇を取る人は多かった印象があります。

楽な仕事なのに、なぜ公務員はうつ病になりやすいのでしょうか?

私は理由は4つあると思っています。

  1. 真面目な人が多い
  2. 転職できないから人間関係が悪くなっても逃げられない
  3. 市民から悪意をぶつけられる
  4. 病気休暇制度が充実しているので休みやすい

1から順に説明します。まず、公務員には真面目な人が多いです。

世間でのイメージ通り、公務員の仕事には細かい決まりが色々とあります。私は真面目な人間ではないので、無視しても問題無さそうなルールは無視していました。でも、真面目な人ほど律儀にルールを守ろうとします。

すると労働時間も長くなります。で、真面目な人は勤務時間中に仕事が終わらないことを、自分のせいだと思う傾向があります。なので上司に内緒で残業をしたり土日に出勤したりして仕事を片付けていました。

これは精神的に非常に良くないですね。時間中に終わらないのは上司の責任が大きいので、

「仕事終わりません」

と上司に言うのが正解なのですが、真面目な人はそう言いたがりません。自分で自分を追い詰めていますね。そういう人はうつ病になりやすいです。

2について。公務員は民間企業に、ほぼ転職できません。

参考:公務員と転職

なので、職場の人間関係で悩んでも、毎年人事に提出する書類で

「○○さんと一緒に仕事できません。私を異動させてください」

と書くしかありません。これはこれでけっこう有効な手段なのですが、必ず異動させてくれるとは限りません。また、異動できるにしても4月までは我慢しなければなりませんので、それまでストレスを貯めることになります。

また、これは完全に私の主観なのですが、公務員は嫌な上司がたくさん居ます。今は公務員は人気の職業になったので、かなりまともな人が入庁していますが、その昔のバブル期などは、バブルのくせにどこの会社にも入れなかったような人が公務員になったわけです。別に、それでも誠意を持って働いているとこちらから感じられれば良いのですが、そうではない人が多いです。神経を疑うような酷い人というのが大抵の職場に居ます。

そういう人たちと働いていると、精神を病みます。そして、公務員は一度辞めたらもうその場には戻って来れませんし、民間企業には入れないので、公務員だった時のような良い暮らしはできません。奥さんが公務員の夫に期待することは、安定した仕事を持っていることですので、奥さんの手前、ふらっと仕事を辞めることもできません。逃げ場が無いというのは、病みやすいと思います。

3です。市民から悪意をぶつけられます。

私は税金の取り立てをしていたのですが、かなり市民の人から罵倒されました。バカとかアホとか普通に言われました。

税金を払っていない人が言っているので、相手が悪いのですが、私は彼らの言っていることも一理あると思ってしまったので、彼らの公務員批判を気にしていました。

「公務員は高い給料をもらっている割に働かない」

ともよく面と向かって言われましたが、私は本当にその通りだと思ったので、彼らの言葉を聞き流せませんでした。

転職して、今は、お客さんを楽しませる仕事をしていますので、お客さんからは感謝されることが多いです。もちろん失敗したら即、クレームに繋がる厳しさもありますが。基本的に罵倒されたりすることはありません。客から常に罵倒される仕事は、今思っても気分が悪かったなと思います。

近年の公務員バッシングは激しさを増しています。その矢面に立った時に聞き流せない人は、精神を病むでしょうね。

4は、病気休暇制度が充実していることです。これが一番大きな理由だと私は思います。

公務員の正規職員は、病気休暇という制度が充実しています。医者の診断書があれば、2年ぐらいは休める職場が多いです。しかもその休んでいる期間中も、給料が貰えます。働いている時の6割ぐらいはもらえます。期間が長引くともらえなくなるみたいですが。

この制度の最大の特徴は、メンタルヘルスを病んでいる時にも使えることです。このことは、世の中に、うつ病の診断書を簡単に書いていくれる精神科医が多いことと合わさって、誰でも簡単に病気休暇を発動できるようになります。

これは、転職できない公務員の、伝家の宝刀とでも言うべき制度です。仕事に行きたくなくなったらうつ病の診断書を取り、病気休暇を取得すれば、職場に対してメッセージが伝わりますね。

全てのうつ病で病気休暇を取る人がそうだと言う気は全くありませんが、この制度は、意図的に休むことができてしまいます。市役所に行きたくないなぁと思ったら精神科で診断書を書いてもらい、提出すれば長期休暇が取れます。給料も部分的にもらえるので生活には困りません。このカジュアルさが、公務員でうつ病で休む人が多い理由でしょうね。

 

以上、4つの理由で、公務員にうつ病で休む人が多いことを説明しました。

私は、一緒に働いている人に気を使っていたので、私が在職している間に同じ職場でうつ病で休む人は居ませんでした。こういうことは、誰も気づかないし、誰からも評価されませんが、私が市役所でしたことで最も貢献できたことは、仲間がうつ病にならないように気を使っていたことかなと思います。

「公務員にうつ病になる人が多いのは何故か」への2件のフィードバック

鳥取県職員 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です